直径約45メートル、重さ約13万トンもある小惑星が日本時間16日未明、地球に最接近すると米航空宇宙局(NASA)が発表した。衝突の恐れはないというが、大丈夫だろうか。
―どの程度近づくの
最接近するのは16日午前4時24分ごろで、インドネシア・スマトラ島沖上空を通過する。地表からの距離は約2万7650キロで、月までの距離の10分の1以下だ。
―衛星などに被害は
「ひまわり」などの気象衛星や通信・放送衛星が回る静止軌道の距離は約3万6000キロで、ぶつかる可能性はほとんどない。国際宇宙ステーションの周回軌道は約400キロと低いので心配ない。
―地球に衝突したら
1908年にシベリア・ツングースカ上空で起きた小惑星の爆発以上に、落下地域に壊滅的被害をもたらすと考えられる。当時の小惑星は直径30~40メートルと推定され、東京23区の合計面積の2倍に当たる約1200平方キロの森林がなぎ倒された。
約6600万年前、メキシコ・ユカタン半島に落下し、地球規模の気候変動と恐竜絶滅を招いた小惑星か彗星(すいせい)は直径約10キロと桁違いに大きい。
―いつ発見されたの
1年前の昨年2月23日、スペインの天文台の観測で見つかり、「2012 DA14」と名付けられた。これぐらいの大きさの小惑星は地球近くに約50万個あると推定されるが、非常に暗いため発見されたのは1%もない。NASAは地球接近は40年に1回、衝突は1200年に1回とみている。巨大地震・津波の発生確率に比べ、大幅に低いとは言えない。